探検ファクトリーかまどさん土鍋伊賀焼長谷園三重県伊賀市 - 美味道の歩き方: おうちで味わう絶品レシピとグルメ散歩

探検ファクトリー: ご飯がふっくらツヤツヤに仕上がる土鍋の秘密

今回は、料理を一段と美味しく仕上げる土鍋の製造工程に迫ります。私たちの探検先は、三重県伊賀市にある土鍋工場です。ここでは、食材の味わいを引き立てる「特別な土」が使われています。この記事を通じて、伊賀焼の魅力とその歴史、製造過程について探っていきましょう。

伊賀焼の魅力

伊賀焼は、三重県伊賀市で生まれた焼き物です。この地域は、忍者の里としても知られていますが、優れた陶土を使った伊賀焼の製造でも名高いのです。伊賀焼は、鎌倉時代から始まり、その耐火度の高さと自然美が特徴です。この耐火性は、伊賀の土が持つ独特の性質によるものです。かつて琵琶湖の底であったとされる伊賀では、古琵琶湖層と呼ばれる地層から採れる土に、400万年前の有機物が含まれています。この土を高温で焼くことで、土の中に細かな気孔が生じ、「呼吸する土」とも呼ばれる特性を持つのです。

土鍋としての優れた性質

伊賀焼の土鍋は、その耐熱性と蓄熱性から、調理器具として非常に優れています。火から下ろした後も温度が長持ちし、弱火での煮込みに適しているのです。この特性は、伊賀の土に含まれる有機物が高温で発泡し、気孔を形成することにより生じます。これにより、食材にじっくりと熱が伝わり、料理を美味しく仕上げることができるのです。

長谷園: 伊賀焼の伝統を守る窯元

1832年に創業した長谷園は、伊賀焼の窯元として知られています。この窯元は、伊賀の土の特性を活かしながら、使い手の視点で土鍋を製造しています。また、長谷園では、伊賀の魅力を体験できる環境を整える取り組みも行っており、毎年5月には「長谷園窯出し市」が開催されます。このイベントは、多くの人々を引き寄せ、伊賀焼への関心を高める機会となっています。

倒産寸前の窯元を救った「かまどさん」

長谷園は、土鍋「かまどさん」のヒットによって知られるようになりました。この商品は、倒産寸前だった家業を救ったと言われています。かまどさんの開発は、家族一丸となって行われ、炊き方の難易度や火加減の手間を解消することを目指しました。その結果、手軽に美味しいご飯を炊ける土鍋が完成し、大ヒット商品となったのです。