菅田将暉も沸いた！『ホンマでっか！？TV』で読み解く“昭和”の勢いと遊び心

新ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』のスタートに合わせて、菅田将暉さんと“ひょうろく”が『ホンマでっか！？TV』に登場。テーマはずばり「昭和」。評論家軍団が“活気とアイデアの塊”だったあの時代を、最新の目線で徹底解剖しました。スタジオにはレトロ家電や懐かしお菓子がずらり。菅田さんのテンションが思わず上がる“昭和の魔力”、その要点をぎゅっと凝縮してお届けします。

昭和は「挑戦が家電になる」時代だった

昭和家電評論家の冨永潤さんいわく、当時はメーカー同士が“遊び心と技術力の見せ合い”。結果、生まれたのが“合体家電”。テレビ＋レコードプレーヤー、ダブル受話器の電話、ラジオとカセット、時計とラジカセ…とにかく「一台でなんでも」の世界。
いまのミニマル設計と違って、昭和の家電は“機能を盛るほど楽しい”。大きなダイヤル、メカメカしいレバー、指先に伝わるカチッというフィードバック。使う行為そのものがエンタメでした。スタジオに実機が登場すると、菅田さんも思わず「これ家で鳴らしたい！」と少年の目。

昭和レトロが日本を救う

作者:音村香助

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“不便の楽しさ”が教えてくれること

合体家電は完璧じゃない。重い、デカい、壊れやすい。それでも愛されたのは、「使いこなす楽しさ」がセットだったから。チューニングを合わせ、針を落とし、巻き戻しを待つ。時間をかけるほど音や映像への没入が深まっていく――昭和の生活リズムは、コンテンツを“味わう速度”を教えてくれました。
菅田さん主演の新ドラマも“舞台”をモチーフにしていますよね。舞台って、段取り・呼吸・間合いが命。昭和の家電にも通じる“手を動かして、手応えで学ぶ”身体性がある。番組全体が、ドラマの世界観とリンクして見えるのが面白いところ。

レトロ菓子とエンタメの“記憶スイッチ”

スタジオに並んだ昭和スイーツは、ほぼタイムマシン。駄菓子屋のくじ、紙風船ガム、ラムネ、ヨーグル、ポリ袋アイス…。どれも“香り”と“手触り”で一瞬にして記憶を呼び戻す装置です。
評論家の「昭和は家の中でお祭りを作っていた」という一言が刺さりました。テレビの前に家族集合、合体家電で音を鳴らし、テーブルには袋菓子。お金をかけずに「今日は特別」を演出する術が、昭和の家庭にはたくさんあった。今またレトロブームが続くのは、情報過多の時代に“シンプルなご褒美”を求めているからかもしれません。

合体家電は「世界観のクリエイティブ」

マーケ的に見ると、合体家電は「プロダクト＝体験設計」。たとえばテレビ＋レコードは“家の中心に音と映像を集める”提案だし、ダブル受話器は“家族で電話を共有する”文化の反映。機能の組み合わせは、暮らしの組み合わせの提案でもある。
現代でもスマホが“超合体端末”ですが、昭和の合体は物理的で、存在感がインテリアになっていた。だからこそ、空間の記憶とセットで思い出される。レトロ家電がいまインテリアとして復権しているのも納得です。

菅田将暉、昭和ギアにハマる瞬間

収録で印象的だったのは、菅田さんがダイヤルを回す、レバーを倒す、その“操作の所作”にすぐ馴染んでいったこと。俳優は衣装だけでなく、道具との距離感を瞬時に掴む人。針の落とし方ひとつで、画面の空気が昭和に変わる。
ひょうろくさんの“昭和あるある”も合いの手になって、スタジオが柔らかい笑いに包まれていく。懐古に寄り過ぎず、いまの暮らしに効くヒントを拾い上げる空気感が『ホンマでっか！？TV』の真骨頂ですね。

今日から真似したい“昭和アップデート”3つ

儀式化する：音楽をかける前に一手間（プレイリストじゃなくレコード風の「A面1曲目」から再生する、など）。始まりの所作を決めると満足度が上がる。
合体させる：家の“中心”を作る。テレビ前にスピーカー＋間接照明＋サイドテーブルで、小さな“お祭り空間”。
手で味わう：駄菓子やレトロ菓子を“開ける音”“指につく粉”まで楽しむ。五感で食べると会話が増える。

まとめ：昭和は“勢い”ではなく“段取り”の文化だった

勢いで突っ走った時代――そう見えがちな昭和ですが、今日のスタジオに置かれた家電やお菓子は、むしろ“段取り上手”の産物。合体家電は生活導線の設計図で、駄菓子は家族時間の仕掛け。
菅田将暉さん主演の新ドラマがこのタイミングで始まるのも象徴的。舞台＝段取りの芸術。昭和の知恵を現代にアップデートして、私たちの毎日に“ちょっとした儀式”を取り戻せば、日常が少しだけ楽しく、豊かになります。

今夜、リモコンの前に“お気に入りの一口”を置いて、合図のように包みを開けてみませんか。昭和の楽しさは、始め方に宿っています。

昭和レトロが日本を救う