探検ファクトリー 羽毛ふとん工場 軽くて温かくて羽毛が出てこないための工夫
職人の情熱で生まれる羽毛ふとんの世界──富士新幸株式会社
上質な睡眠は、心身の健康を支える大切な時間。その睡眠を充実させるには、寝具の質が鍵となります。羽毛ふとんは軽量で温かく、手入れが簡単なことから、多くの家庭で選ばれる存在です。しかし、中身が目に見えない特性から、品質を見極めるのは難しいと言われています。山梨県都留市に拠点を置く富士新幸株式会社は、40年以上にわたり羽毛ふとんを製造し、信頼性と快適性を両立させた製品を提供してきました。その独自のこだわりと技術に迫ります。
高品質の羽毛を求める「直輸入」のこだわり
羽毛ふとんの中身となる羽毛は、水鳥の副産物として得られるものです。日本では水鳥の飼育がほとんど行われていないため、羽毛の大半を輸入に頼っています。富士新幸は、羽毛の品質を徹底管理するため、輸入過程において一切の妥協を排除しました。
ヨーロッパ諸国や中国を中心に、現地を訪問して水鳥の飼育環境や羽毛の生産状況を直接確認しています。信頼できる供給企業と契約を結び、羽毛を自らの手で直輸入。海外で梱包された羽毛が日本の工場に到着するまで、他社の手を一切介さない仕組みを構築しました。この徹底管理により、羽毛の品質が保証され、最終製品に至るまで妥協のないものづくりが可能になっています。
さらに、トレーサビリティを保証する国際的な基準「DOWNPASS認定」を取得し、品質と信頼を証明。輸入しているハンガリーマザーグースダウンは、ハンガリー政府からも推薦を受けています。
羽毛ふとんの高品質を支える「一貫生産」
直輸入した羽毛をさらに高品質に仕上げるため、富士新幸は製造工程全体を自社工場内で完結させる「一貫生産」を採用しています。この取り組みによって、製品の品質を維持し、消費者に安心を提供しています。
工場ではまず、羽毛に対する厳格な検査を実施。ダウンパワーや洗浄度、混合率などをチェックし、基準をクリアした羽毛のみを使用します。その後、富士山系の清らかな水を使用して羽毛を丁寧に洗浄し、不純物や細菌を取り除く高温処理を施します。この徹底した洗浄工程により、羽毛の清潔さが極限まで高められます。
羽毛が清潔に仕上がると、熟練の職人がふとんへの詰め込みや縫製作業を担当。一つひとつの工程が手作業で行われ、品質の高い羽毛ふとんが完成します。
日本羽毛製品協同組合の認定とゴールドラベルの信頼
富士新幸の羽毛ふとんは、日本羽毛製品協同組合(日羽協)の厳しい基準をクリアしています。製品には、羽毛の膨らみや保温性を評価する「ダウンパワー」、羽毛の純度を示す「混合率」、羽毛の清潔さを示す「洗浄度」などがしっかりと保証されています。
さらに、日羽協の基準に合格した製品には、品質の高さを示す「ゴールドラベル」が付与されます。このラベルは、消費者が安心して製品を選ぶための指標であり、信頼の証となっています。
業務用製品への展開と顧客ニーズへの対応
富士新幸は家庭用の羽毛ふとんだけでなく、ホテルや旅館、福祉施設向けの業務用製品も手掛けています。全国の多くの施設に製品を納め、宿泊客に快適な眠りを提供しています。
これらの製品は、施設ごとのニーズや予算に応じてカスタマイズが可能。羽毛ふとん以外にも、ダウンケットやブランケット、カバー類など、幅広いアイテムを取り扱っています。
サステナブルなものづくりへの取り組み
富士新幸は、製品の製造から販売に至るまで、環境への配慮を忘れません。廃棄物を削減し、耐久性の高い製品を提供することで、持続可能なものづくりを実現しています。
結論
富士新幸株式会社は、羽毛の直輸入と一貫生産を通じて、高品質な羽毛ふとんを提供し続けています。職人の技と徹底管理に支えられた製品は、快適な眠りを求める多くの人々に選ばれています。信頼性と快適性を兼ね備えた羽毛ふとんを選ぶなら、富士新幸が最良の選択肢となるでしょう。